はじめに
3月の特集記事は1月に続き、新幹線ネタを取り上げていきます。
N700Sは2020年より営業運転を開始した新しい新幹線で、現在は東海道・山陽・西九州新幹線に導入されています。N700Aに比べてたくさんの進化ポイントが見られますが、その中で今回取り上げるのは「荷物掛けフック」です。
報道資料上の進化ポイントは…
N700Sの荷物掛けフックでググると、座席裏にも新たに追加されたことが多くの記事で取り上げられています。そのような報道発表があったためと思われます。
ご覧の通り、窓側の柱に用意されている荷物掛けフックのほかに、座席の裏側にも同様の折り畳み式フックが用意されています。従来は座席裏のテーブルを留めるためのつまみがフック替わりでしたが、ちょっとしたコンビニ袋などをかけるフックが新設されています。
これが追加されたとの報道は多く見られましたが、実はこのフック、もう一つ、従来車から進化したポイントがあるのです。
ぜひ動画で見てください
言葉で説明するのが難しいので、動画にしてみました。こちらがその「密かな進化点」です。
おわかりいただけただろうか。
そう、動きが変わったのです。従来のN700系では、単純なバネの組み込まれたフックで、手を離すとパチンと音を立てて素早く収納されていましたが、N700Sのフックは手を放すと、ゆっくりと閉じるようになりました。
残念ながらsosekiはこの機構に関する正確な資料を見つけることができませんでしたが、例えば蝶番の大手であるスガツネ工業(株)のウェブサイトには、ソフトクロージング機構と呼ばれる同様の機構を備えたフックが商品としてラインアップされており、上記リンクの動画を見る限り「座席裏に新規採用されたフックに酷似した形状」と思われるフックの写真も出てくるので、おそらくこちらが採用されたのでは?と推測されます。
終わりに
この「ふわ~~」っと閉まる感じ、とても癖になります。
同様の機構は、ちゃんとJR九州のN700Sかもめ号にも採用されています。このようなソフトクロージングはフックに限らず、フットレストや座席収納テーブルなどにも用いられ、収納時の指挟み事故防止などの役割を果たしています。こういう細かい進化の集積で、鉄道空間はより快適化されていることを感じる事例でした。
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