はじめに
久しぶりの車内リニューアルBofore & After記事です。前回はこちらです。
近年、車両保守に対する考え方が各社とも少しずつ変化しており、リニューアル工事を行う会社、行わない会社が明確になりつつあります。SDGsなど社会的なエネルギーに対する考え方なども影響しているのかもしれません。とはいえリニューアルを受けて時代にふさわしい姿に変貌するのはとても興味深く、今回も6例、その変化を並べてみました。
車内リニューアルBefore & After
JR九州811系
まずはJR九州から。民営化後に登場した転換クロスシートの近郊型電車811系ですが、混雑に合わせてロングシート化を受けました。座席が変わっただけでも別形式のようですが、合わせて化粧板の白色化、座席モケットは青を中心に模様が混在する面白さ、そして今どきのガラス製袖仕切りなど、新車同様の設備が見られます。LED照明化も近年のリニューアルでの大きなポイントですね。
JR西日本223系（0番台）
221系に引き続き、223系でもリニューアルが開始され、現在は全編成が完了しています。リニューアルは全面的なものと簡易的な施工の編成が存在し、上図は全面リニューアルの例です。座席は225系と同様のものに取り換えられモケットも変更。手すりや吊革は全部黄色になりました。またLED照明化、床のグレー化も行われました。貫通路が銀色無地ドアになったのも象徴的です。
山陽3050系
ご紹介するのは前期リニューアルの例で、前期リニューアルは鋼製車両に対して施工されています。基本的な造形に変化はありませんが、化粧板や床面がシンプルで明るいものに張り替えられ、座席に変化がなくとも印象が大きく変わりました。座面のバケット化は令和に入って追加実施されています。また窓サッシの黒色化や貫通ドアの窓拡大なども目新しさの演出につながっています。
都営12-000形
大江戸線で活躍するリニアモーター地下鉄。こちらも照明のLED化がなにより大きな印象変化のきっかけですが、ほかにも袖仕切りの大型化や床面のグレー化、ドア付近床の黄色化などが実施され、パッと見は新車並みになりました。ドアを見れば黄色いテープも追加されていますね。座席自体に変化はありません。
京王9000系
2000年代に導入された車両にもリニューアルが行われる時代になりました。こちらは京王9000系の地下鉄乗り入れ対応車両です。丸みを帯びたガラス併用の袖仕切りとグレー系のモケット、黒い床だけでも大きな変化ですが、細かく見ればドアの交換、座席形状の変更、スタンションポールの追加、化粧板全面張替えと、かなり気合の入った更新です。一方でドア上はLED案内のまま残っています。
京阪600系
昭和に誕生した小型車両ですが、京阪のCI変更に伴いこちらの車両にもリニューアルが施されました。更新範囲は本格的で、化粧板を温かみのあるベージュに変更しドアは黒色化。床も黒いタイル柄に変わりました。座席は黒と黄緑で、特に背面はオレンジのグラデが入った、本線では見られない独自のデザインです。一方カーテンが従来車同様緑色を継承しているのが面白いところです。
終わりに
車内リニューアルで、一般的には明るい車内になりますが、その大きな役割を果たしているのがLED照明です。この度蛍光灯の製造終了などのニュースも目にしますが、今後LED照明化が進むにあたって、電車はもっと明るくなっていくかもしれません。
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