【番外】小田急3000形&京成3000形 車内徹底比較

車内徹底比較 小田急3000形&京成3000形 その他

ネタ振りをいただきました

はじまりは、日ごろ懇意にしていただいている社畜ゲートウェイのねこ常務さんによる次のツイートでした。

小田急と京成には、似た時期に製造された「3000形」という車両がいます。実はこの2形式、共通点がいくつかありまして、

  • 日本車輛製で、日車式ブロック工法のステンレスボディを採用
  • 3000形(系ではない点まで同じ)
  • 同じぐらいの時期に製造され、どちらも長期間導入が続いた
  • 平面ブラックフェイス
  • 大量に製造され、各線の最主力形式

など、語ればたくさん通じるものがあるのです。詳しくは社畜ゲートウェイさんの記事をご覧になってください。

https://www.stellacreate.com/entry/odakyu-3000-keisei-3000

当サイトでは車内を比較します

ということで、まるで兄弟のような2形式の車内について、当サイトでは比較していきたいと思います。

1、車内の全体像

小田急3000形1次車 車内
小田急3000形1次車

小田急3000形の1次車は非常に独特なデザインが特徴です。袖仕切りやワイドドア、戸袋窓もさることながら、やはりグラデーションの効いたモケットが目立ちますね。

京成3000形 車内
京成3000形1次車

京成3000形は細部を除いて基本的にこのカラーリングで導入が続きました。非常に落ち着きのある内装で、やや紫がかったえんじ色のバケットシートがアクセントです。

小田急3000形2次車

2次以降は標準車両ガイドラインに則り、非常にオーソドックスな車内に変化しました。座席は落ち着きのあるえんじ色に柄がはいったもので、袖仕切りは大型化。窓はJRで見られる非対称タイプでまるで別形式のような変貌です。

京成3000形50番台

成田アクセス線の開通に伴い、3050番台が導入されました。この番台は外装に合わせて内装も青色基調のものに変化しており、雰囲気が全く異なっています。ただ、それぞれのパーツは共通化されています。

2、座席

以降はもっとも一般的な、小田急の2次車と京成の標準仕様車で比較していきます。

小田急3000形2次車

2次車以降は7人掛けのバケットシートを採用。袖仕切りは三角形に近い形をした大型板で、窓は非対称スタイル。ガラスは着色タイプとなっています。モケットの柄がきれいです。

京成3000形1次車

こちらが座席。3ドア車なので8人掛けと少し長いのが特徴。袖仕切りは日車製でよく見る形状のもので、窓はカーテンを備えています。こちらも片持ち式ですね。

優先席は小田急・京成とも青色系。小田急は紫に近い色で、こちらも柄入り。妻面にもモケットが張られているのがとても良い印象です。

京成3000形の優先席は5人掛けでとても長く見えます。窓も大きく広々とした空間です。モケットは優しい色合いの青ですね。

3、妻面

小田急3000形2次車

小田急は3000形から妻窓を廃止し、貫通ドアの窓はしたほうへ少し長くなりました。ドアに色がついているのがアクセント。ちゃんと各車端部にドアがあります。

京成3000形1次車

京成3000形の妻面は3700形の後期車に準じていまして、妻窓無し、大型窓。貫通路につき片側のみドア付きです。ドア横に手すりがあるのが特徴でしょうか。

小田急3000形2次車

乗務員室背面はこの形式から伝統の対称型配置を廃止し、東急のような乗務員扉が右にオフセットされたかたちに変化しました。窓はとても四角いです。

京成3000形1次車

京成3000形の乗務員室背面は非常に特徴的で、対称配置で車掌台側が2段窓になっています。また直後にも座席が用意されています。ドア下の通風口も個性的です。

4、客用ドア

小田急3000形2次車

小田急は貫通路と同様、ドアが優しいベージュ色に着色されています。窓は単板ガラスが接着されたタイプです。ドア上にはLED車内案内装置がありますが、後期車ではLCD化されました。手すりもとても長いものですね。

京成3000形1次車

京成も小田急とドアの仕様は似ていますが、無塗装ステンレス地仕上げで無機質な印象です。手すりも短く、引込部もステンレス無塗装。座席横スペースもバラバラです。案内表示器は最近LCDモニタに換装されました。

5、吊革&荷棚

小田急3000形2次車

ここに両社の明確な違いがありました。小田急は吊革が三角形で、枕木方向向きに設置されているのです。関東の通勤型ではよく見るスタイルですね。

京成3000形1次車

京成3000形は旧来からの丸形吊革がレール方向に並ぶタイプで、広告などのプラカバーも設置されていません。とてもオーソドックスな印象です。

小田急3000形2次車

荷棚は似たり寄ったりですね。パイプタイプで、端部も一般的な平面の梨地仕上げです。ただ、スタンションポールが下向けに伸びているのはおしゃれですね。

京成3000形1次車

京成3000形もポールタイプの荷棚を採用。ただ、小田急に比べると、壁面固定のボルトが外側にもあったり、スタンションポールが横から伸びているなど、やや簡素な印象です。

総論

思ったより、似てねぇ…!

そうなんです。車体こそ日車式ブロック工法でも、車内はそれぞれの会社が意匠を凝らしています。そこが車内デザインの面白さなのです。もちろん、片持ち式のバケットシートや大型袖、妻窓無しなどの共通点はありますが、これらは時代の流れによるもので、細部の継ぎ目などを見てもあまり共通点が見当たらないのです。

実は「小田急3000形のほうがオリジナリティが強い」のです。荷棚などを見てもお分かりのように、外観こそ汎用設計っぽさが見られますが、内装は他社に類を見ないデザインやこだわりがたくさん見受けられます。非常に完成度が高いのです。

ところで、実はもうひとつ、関東には日車式ブロック工法の車両がいます。同工法のパイオニアにして、同時期に製造され主力として活躍している車両がいるのです。ということで…

終わりに、次回予告※いつになるかは未定

次回は「京成3000形」と「京王9000形」の車内比較記事をUPする予定です。

実は日車式ブロック工法は比較的共通化されたパーツが多く、京成3000形はそのパーツが多用されています。京王9000形と比較することで、日車製の個性が見えてくる…かもしれません。まだ執筆に着手していないのでいつになるかはわかりませんが、ご期待ください。

最後にこの記事を書くにあたって、色々と勉強させていただいたOdapediaのワタシダ様ときっかけをいただいた社畜ゲートウェイのねこ常務様に感謝を申しあげます。またご一緒させてください。

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