はじめに
引退から早くも10年以上が経った、元特急の花形車両、京阪1900系車両を振り返ります。晩年の活躍する姿とその車内デザインについてご紹介します。(2021.1.12写真追加、記事修正)
【その1】エクステリア
比較的近年まで残っていた片開扉車両でした。冷房改造・更新工事を経て、2200系と同様の前面スタイルになりましたが、ストレートボディであることと、特急車の証である尾灯周りのバンパーがとてもスマートに見える車両でした。時には写真のように、ラッピングに供されたこともありました。
1914号は元1810系からの編入車としては唯一の先頭車。屋根構造が異なり、前照灯や窓高さに差異があります。また先頭車で唯一ウインドシルが残っていました。
こちらは旧1810系から中間車として編入された車両。ウインドシルが残っているほか、窓枠も上部はR付き、下部はRがないのが特徴です。屋根も少し低く、旧型車両らしさが残ります。
また写真の車両は3ドア改造された際に、中央の扉が両開き扉で新設されています。
【その2】車内デザイン紹介
1900系の車内。化粧板は3000系や600系で見られる、絹目模様の薄茶色の化粧板で、6000系などとは少し雰囲気の異なるものでした。また元クロスシート車のため座席がほかの車両より低く、長時間乗っていると腰に負担がありました。カーテンは最後まで紺色のものを使用していたのも特徴。冷房吹出口はFRP製でした。
1810系から編入っされた車両は座席高さが他と少し異なるほか、荷棚受けのデザインなどで区別できました。写真の車両は両開き扉と片開扉が混在するレアパターンです。
貫通路。窓が大きく開放感のある貫通路でした。1810系からの編入車など先頭車改造部分は少し出っ張りがあるのも特徴ですね。
前述の通り、一部の中央ドアが両開きとなっていました。2200系のようなレール付のドアで、ドア横のスペースはかなり広めにとられています。ドアエンジンは上部にあるタイプで、開閉音も2200系そっくりでした。他の1900系に合わせるため、ドア横に広告枠が存在せず非常にすっきりとした印象になっています。
美しき荷棚受けのデザイン。1810系からの編入車のみに見られたデザイン。鉄道博物館などに行くと感じるのですが、かつてはこの部分は意匠性の見せ所でした。椅子の肘掛を飾る感覚に似ています。現代の車両でこの部分に目の行く車両、ほとんど見かけません。
【その3】製造銘板コレクション
堂々昭和31年(1956年)製であることの証。色が時代を物語っています。川崎車輌は現在の川崎重工ですね。この写真から、化粧板の模様が6000系とは異なるのがわかります。
こちらはナニワ工機の銘板です。羽根型のデザインがとってもかっこいいですね。
1900系として申請された車両は、2200系などにもみられる白と紺色のプラスチック製銘板を採用しています。いいですね、神戸の文字。
【概要】1900系について
1963年に登場した特急車。2000系列のデザインに近い新製車と、ウインドシルが残る1810系からの編入車が存在しました。冷房改造を受け、末期は5両編成を組成し交野線や宇治線を中心に活躍。中之島線開業を前に引退となりましたが、この時は様々な装飾が施されたのを記憶しています。ほかの通勤型と比べ座席が低く、長時間座っていると腰が痛んだのも思い出です。美しいバンパー付きのスマートな外観と、落ち着きのある内装で、日本中の鉄道ファンたちから愛された車両でした。
その他
こちらの鉄道情報サイトに参加しています
よろしければ1日1回、クリックしていただけましたら幸いです。