そもそも「トリビア」って今の若い人に通じるのだろうか、の話
こんばんは、sosekiです。
鉄道趣味サイトコラボ企画、最終地点へようこそ。ここまでたどり着いた皆様、お疲れ様でございました。え?何のこと?という方は、下記コラボサイト様もぜひご覧を。連動企画実施中で、本日この記事が最後になります。
当ウェブサイトは鉄道デザインをテーマにしており、特に「車内デザイン」に関して写真資料を中心に紹介しています。今回のテーマ「雑学」にあたり、車内に関する深い考察ができるか悩みましたが、正直何も浮かばなかったので、今回は「トリビア」を4つご紹介したいと思います。
トリビア(tribia)はちょっとした雑学や豆知識という意味の単語ですが、日本ではかつて放送されていたテレビ番組「トリビアの泉 〜素晴らしきムダ知識〜」で大流行しました。そんなムダ知識かどうかはさておき、他の方々に比べると、ちょっと身近で、ちょっと気になるネタになれば良いなと思います。それでは、ご覧ください。
本編スタート
Tribia Level 1…N700系の窓は、ガラスではない話
まずはN700系に関する話から。現在の東海道・山陽新幹線の主力形式、おなじみの新幹線です。厳密にはスモールAなどと呼ばれるN700系(A化改造車)、写真のラージAと呼ばれる改良型N700A、そして2020年から運行開始したN700Sが存在します。
実はこの新幹線の客室に用いられている窓は、「ガラス」を使用していません。かつての新幹線は一般的なガラス素材を使用していましたが、N700系ではより軽量化や安全性、保温性、耐久性などを向上するため、ポリカーボネード素材(プラスチックの一種ですね)を使用しているのです。メーカーは、だけじゃないTeijinとのこと!
ぜひ東海道新幹線に乗ったら、そっと窓に触れてみてください。ガラス特有の冷たさが感じられないと思います。ちなみに、運転室の窓は海外大手メーカーのガラスが使用されているようです。
Tribia Level 2…床がQRコード?柄の電車が存在する話
こちらの通勤型電車。木製の座席や色とりどりのモケットなど大変おしゃれですね。
この電車の床に寄ってみると…
ご覧の通り、床にびっしりとならんだQRコード。こんなインパクトのある電車が存在します。
この大胆な床面デザインが見られるのは、JR九州。筑肥線の白い電車、305系が誕生した2015年以降に製造された通勤型・近郊型車両で採用されています。パッと見はドットデザインのような、近代的な印象ですが、よく見るとQRコードなのです。
ちなみに、カメラをかざしても何も読み取ることはできません。実はあくまで「QRコード風」の柄なのです。本物のQRコードは3つの角に四角いマークがありますが、この柄では丸形や菱形などが描かれています。それでも、1つぐらいは読み取れないものかとカメラを向けたくなる柄です。
余談ですが、初めてこの柄を見たときには「水戸岡先生、博打みたいな柄に走ったな…」と思いました(水戸岡先生とはJR九州の車両デザイナーです)。というのも、実は車内広告・駅広告などにおいて、QRコードは「御法度」なのです。QRコードは一般的に携帯電話・スマホのカメラ機能を用います。車内や駅などで携帯電話のカメラを安易に起動できると、「盗撮」という迷惑行為がしやすくなるからです。次に電車に乗った時に、駅や車内の広告を見渡してみてください。[○○○][検索]という誘導は見られますが、QRコードはほとんど存在しないはずです。
Tribia Level 3…握ると製造メーカーが判る吊革の話
吊革は現在、複数のメーカーでさまざまなデザイン・形状の製品が製造されています。概ね、丸型・三角型が一般的ですが、最近はハート型や魚型など遊び心が加わった形状や、デザインコンセプトに合わせたカラフルなバリエーションが存在します。
この吊輪を握ったときに、輪っかの一部にザラッとした突起を感じたことはないでしょうか?特に関西の電車では経験者が多いと思います。吊輪をズームしてみると…
突起をよく見ると、「ミカミ」というカタカナが見られます。これが実は製造メーカーです。三上化工材(株)という、大阪府東大阪市にあるメーカーで、吊革や連結部の幌を製造しています。この三上化工材で作られた吊革は、丸型の場合は輪の側面に、また三角形の場合は三角の頂点部分や、座板と呼ばれる留め具部分に「ミカミ-○」というメーカーと型式らしき文字が突起しています。他のメーカー製のつり革はこういった表記は見られません。
しかし、突起ゆえ、吊輪のほうはどうしても汚れがたまりやすく黒くなりがちなのも気になるところ。もし電車に乗って、吊革を握ったときに少し表面に違和感を感じたら、じっくり観察してみてください。
Tribia Level 4…TVのCMに出演しがちな車内の話
これについては、完全に筆者である私の経験則ですので、なんの数値も確証もない話ですが…雑学もとい、雑談レベルでご覧ください。
たとえば薬品のコマーシャルなどで、鉄道車両の車内が使用されることはしばしば見られます。大道具のセットで撮影していることもありますが、実在の車両を使用したCMもたくさんあります。その中で、特によく見かける2つの車内をご紹介したいと思います。それがこちら!
…どうですか?この車内が使用されたCM、見たことないですか?思い出せないですかね。
1つ目が、「東京臨海高速鉄道りんかい線」の70-000形です。いかにも通勤電車!という構造で、青い座席と大きな窓が特徴。そして2つ目は「京王電鉄」の7000系。紫色の鮮やかな座席が使用されたCMがあれば、ほぼほぼこの京王7000系が用いられています。
両社とも、ホームページ上に「撮影に対するご案内」が明記されています。
たとえば、りんかい線の70-000形の車内を使用して撮影を行う場合、最安価で70,000円からの価格表が掲載されています。車内撮影は基本的に車庫内で実施されますが、よくロケーションとしては「東雲駅」も見かけます。
京王線の場合、使用料が1時間3万円で、そこに立会料、運賃が加算されるようです。また、京王線の場合は「競馬場線での撮影」と明記があります。競馬場線は東京競馬場での開催日こそ混雑するものの、平日は2両編成がピストン運行されている閑散とした路線で、一方で大きな駅、緑の多い車窓があり、撮影にはもってこいなのです。CG合成を伴わない走行シーン撮影であれば、京王線が利用されるのかもしれません。
もちろん、この2社に限らずテレビで鉄道の車内を見かけるシーンがあります。どこの車両か、はたまた実は大道具なのか、など、一時停止してじっくり見てみると発見がありますよ。
おまけ…相鉄都心直通記念ムービーの話
残念ながら、現在オフィシャルでは公開終了となってしまったのですが、2019年、相鉄の新宿直通運転開始時に、素敵なMVが作られました。くるりとサカナクションのマッシュアップによる素敵な音楽に合わせて、二階堂ふみさんと染谷将太さんが主演する映像で、100年前の旧型車両から、最新の12000系まで4時代の車内が登場します。
このメイキングムービーが公開されたのですが、どう見ても実車にしか見えない車内は、すべて大道具とCG合成の組み合わせとのこと。映像技術の凄さを実感させられました。
まとめ
車内トリビア、いかがでしたでしょうか?他のコラボサイト様に比べると、読みづらい文章、薄い内容ではあったと思います。
鉄道車両の車内は、生活で最も滞在時間の長い鉄道要素であり、すなわちとても日常的な存在です。そんな鉄道と過ごす日常に、ほんの少しでも「気づき」が皆様の中に生まれていれば、書いて良かったと思います。
コラボ企画の結びにあたって
新型コロナウイルスの感染拡大で、鉄道趣味業界も大きな影響を受けました。
密を避け、ステイホームが求められる社会的要求で外出がしづらい環境となり、一方で在宅でSNSなどのオンラインに触れる時間が増加しました。
ポジティブな意味では、ウェブ上に存在するいろいろな鉄道情報に触れる方が増えました。当サイトもアクセス数は確実に増加しています。一方で、在宅ストレスが溜まるなか、SNSでは誹謗中傷や罵倒をはじめ、鉄道趣味のネガティブな面が顕在化して目に留まることも増えました。
そんな中、ステイホームしながら、鉄道趣味の「幅の広さ」や「知識」、「面白さ」を繋いで、ツアーができたらいいなという思いで、本企画のきっかけが誕生しました。
鉄道趣味は本当に魅力的です。今回、コラボレーションした4つのウェブサイトだけでも、それぞれに異なる趣旨や個性、着眼点が存在すること、そしてどれも非常に興味深い存在であることを、少しでも感じていただけたのではないでしょうか。そんな魅力的な趣味を、マナーを守りながら、かつ互いを認め合いながら、もっと盛り上げて行けたらいいなという想いで、第一回目のコラボ企画の結びとさせていただきます。そして、ぜひ次の企画につながれば良いなと考えています。
今回コラボレーションいただいた3つのウェブサイト様、企画を旗揚げしてくださった207さんと、ご覧いただいたすべての皆様に感謝申しあげます。ありがとうございました!
soseki
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