はじめに
いきなり本題ですが、あなたの地元の鉄道会社は「優先席」ですか?それとも「優先座席」ですか?
そう、実は優先席の呼称には地域差や会社オリジナルのネーミングがあります。今回はその呼び方について、大手私鉄の例を挙げてご紹介したいと思います。
合わせて、写っている車両が何系電車か、座席の色などもお楽しみいただければと思います。
本編スタート
東武
「優先席」です。英語で、Priority Seat。昔はCourtesy Seatなどとも記載されていましたが、首都圏はいつのまにか統一された模様。よく見かける紺色ベースにオレンジピクトさんのステッカーが、携帯OFFと共に貼られています。最近はヘルプマークもありますね。
西武
「優先席」です。英語で、Priority Seat。というか、東武と全く同じ表現ですね。
西武線の比較的古い車両で採用されている優先席の座席モケット、これ、何色と呼べばいいのでしょうか?
京成
京成線も「優先席」です。写真の車両を見ると、他社と似ているようで異なるステッカー。なんとシルバーシートのマークが残っています。ヘルプマーク、妊婦さんマークetc…シールのオンパレード。ちなみに手元の写真を見ると、3100形ではシルバーシートマークが廃止されていました!細かい…
京王
京王名物「おもいやりぞーん」。一応、「優先席」とも表記されています。昔はもっと思いやりゾーンが主張していましたが、いつのまにかあっさりとした表現に。他社と同じデザインのステッカーですね。ヘルプマークもひっそりと追加されています。
東急
東急も「優先席」ですが、東急は昔からとにかくステッカーを貼るのがお好きなようで、携帯OFFを促す黄色いテープがぐるりと貼り巡らされています。かつては8500系に青い優先席専用モケットがあったような気がしますが、現存車両は皆、優先席と一般席でモケットの色分けをしていないのが東急の特徴です。
京急
京急も「優先席」です。よくみると乗り入れ先の京成線と同じ、シルバーシートマーク入りのステッカーが採用されていますね。このタイプは妊婦さんマークが含まれていないので別途ステッカーが横に追加されています。現在の京急は青いモケットが優先席の目印です。
東京メトロ
東京メトロも「優先席」ですね。ステッカーも他社と同じマタニティマーク入り…と思いきや、ちょっとデザインがことなりますね。ヘルプマークや携帯OFFが一体的に記載されたデザインのものが採用されています。同じようで違うのが面白いですね。
小田急
小田急線も、呼称は「優先席」になります。ただ、よく見るとこの車両もオリジナルデザインのステッカーですね。ヘルプマークが組み込まれています。一方で携帯電話に関する記述が見当たりません。最新型車両ですが、これが今後の標準でしょうか。
相鉄
相鉄も「優先席」ですね。こちらはヨコハマネイビーブルーの車両ですが、ステッカーのデザインは小田急線と同じ、すべての事項が1枚に収まった最新タイプと思われるデザインです。ちなみに優先席ステッカーの上にあるのは「自動窓」の注意喚起シールです。
ここまで関東です。関東ではステッカー基本デザインが共通化され、英語表記もPriority Seatに合わせられたのが分かります。続いて中部地方。
名鉄
良い写真が手元になくあまりよい紹介事例ではありませんが、こちらが名鉄。呼称は「優先席」で関東と同じですが、ステッカーのデザインはオリジナルの白地バージョンを採用しています。ヘルプマーク・マタニティマークは後から追加されていますね。最新型車両でもこのデザインなのか気になります。
近鉄
中部地方…というよりは近畿地方の鉄道会社だからか、名鉄とは異なり「優先座席」という呼称が用いられています。最近優先座席の強調が始まり、床に大きなシールを貼り、吊革も黄色化。近年のB更新車では派手なオレンジ色の専用モケットまで用意されています。
続けて関西の鉄道をご紹介しましょう。
南海
肝心の座席が見切れそうな写真ですが、近畿地方でよく見るデザインの「優先座席」ステッカーが貼られています。といっても絵柄は最新の5ピクト+携帯・マタニティ・ヘルプマーク一体型です。このデザインを初めて見かけたのは京阪電車でした。10年以上前の話です。
京阪
その京阪。ステッカーが隠れて確認できませんが、カーテンにまで印刷されています。呼称は「優先座席」で、南海同様、水色地に5ピクトタイプのステッカーが張り付けられました。優先座席はオレンジが基本で、最近の旧型車両では上写真のようなシンプルなモケットが採用されています。
阪神
飛びっきりインパクトの強い優先座席の写真をご用意しました。呼称は「優先座席」。ご覧のようにモケットの区分はもちろん、最新車両では床にも表記が印字されています。座席と合わせた派手すぎない配色で、ステッカーも隠れていますがエメラルドグリーンのものが採用されていたと思います。
阪急
おまちかね阪急電車は、90年代末ごろから「全席が優先座席」を展開しましたが、あまり浸透しなかったのか、その後「優先座席」が再設定され現在にいたります。完全に自社独自VIが徹底されており、オリジナルの紺色ステッカーが用意されています。しかも目立ちすぎない、細いもの。そして最近はご覧のように、紅色のモケットに交換され強調されるようになりました。
というわけで、関西では100%「優先座席」という言葉が浸透しています。
大手私鉄最後の砦、気になる九州は…
西鉄
九州の大手私鉄、西鉄では「優先席」という呼称が用いられています。ステッカーも少し愛嬌のあるイラストが可愛い、オリジナルデザインの白色ベースですね。座席も色分けされており、吊革も黄色です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?総勢16社の優先席をご紹介しました。もっとも、デザインに関しては車両ごと、あるいは年代ごとに日々変化しており、車内の中でも一番変化が発生しやすいポイントでもあります。また、優先座席という呼び方は関西特有で、ほかの地方では優先席が一般的です。
いずれJR編、地下鉄編もぜひやりたいところですが、取材が間に合っておらず…。撮影の機会が得られた折に、また特集したいと思います。
その他
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