- 久しぶりの近鉄コレクション記事です
- 座席袖仕切りコレクション、スタートです
- 【昭和30年代~】逆三角形袖仕切り…レア度★★★★★
- 【昭和40年代前半~】四角形袖仕切り①…レア度★
- 【昭和40年代後半~】四角形袖仕切り②…レア度★★
- 【昭和50年代前半~】ななめパイプ袖仕切り…レア度★
- 【昭和60年代前半~】アルミ車タイプ①…レア度★
- 【例外①】9200系増備車…レア度★★★★
- 【例外②】2610系X11編成…レア度★★★★★
- 【昭和60年代前半~】7000系タイプ…レア度★★
- 【昭和末期~】5200系タイプ…レア度★★
- 【例外】5202編成…レア度★★★★★
- 【平成初期~】L&Cカータイプ…レア度★★
- 【例外】2610系X21編成…レア度★★★★★
- 【平成中期~】シリーズ21タイプ…レア度★
- 【例外①】5820系L&Cカー…レア度★★
- 【例外②】7020系タイプ…レア度★★★
- 【平成中期~】車いすスペース用タイプ…レア度★★★
- 【令和~】VVVF汎用車A更新タイプ…レア度★★
- 終わり…!
- これまでの近鉄通勤型特集
- その他
久しぶりの近鉄コレクション記事です
膨大な車両数を誇る近鉄電車。その歴史や進化は座席からも見ることができます。
ということで今回は、現役の近鉄通勤型電車から座席の袖を彩る、「袖仕切り」を集めてみました。当然、全形式を紹介することはできないので、形状ごとに紹介したいと思います。なお、5200系などの急行型車両も今回はピックアップしていますが、三岐鉄道に移籍したナローゲージ車は省略しました。
それでは、どうぞお楽しみください。(2024.9.30写真差替)
座席袖仕切りコレクション、スタートです
【昭和30年代~】逆三角形袖仕切り…レア度★★★★★
まずは昭和30年代、現在のスタイルの礎を築いた南大阪線6800系で採用されたスタイルからご紹介。ご覧のように、斜めに張り出したような、三角形に近い形をした袖仕切りが採用されました。1480系や900系あたりが、近鉄に最後まで残っていた車両だと思われます。
現在、このスタイルは近鉄電車には現存していないのですが、実は養老鉄道に移籍した600系の1編成に残っています。奇跡に近い存在です。
【昭和40年代前半~】四角形袖仕切り①…レア度★
続いて昭和40年代の2400系、1800系、8000系、6000系などから長く採用されたスタイルのご紹介。パイプ形状は四角くなりました。出っ張り具合は少なく、ひじ掛けとしての機能はほぼ無く、本当にただ、座席から零れ落ちないためだけの機能です。
現在も2430系や8000系、6020系など、ほぼ近鉄の全地域で見られるスタイルです。余談ですが上記写真のように、スタンションポール付きに改造された同タイプはわずかしかありません。
【昭和40年代後半~】四角形袖仕切り②…レア度★★
通勤冷房車として登場した世代の初期車に見られるのがこのタイプです。一見すると前述したものとほぼ同じですが、座席形状の変化に合わせ、袖仕切り自体が手前へと長くなり、正方形にやや近い形に拡大されています。
2800系、8600系、6200系の初期型に見られるタイプですが、後年形状が変更されたため、先にご紹介した四角形タイプに比べると数は多くありません。
【昭和50年代前半~】ななめパイプ袖仕切り…レア度★
先述した通勤冷房車の昭和50年代以降に製造された車両や、界磁チョッパ制御を採用した車両に見られるもので、南海電車などにも似たななめに曲げられたタイプのパイプ仕切りが採用され、仕切りとしての役割が強化されています。ただ、肘を置くにはやや高い感があります。
2000系や2800系などの丸屋根車、1400系や8810系、9000系などの角屋根車のほか、2610系ロングシート改造時にもこのタイプ化されています。
【昭和60年代前半~】アルミ車タイプ①…レア度★
アルミボディを本格的に採用した京都線向け3200系や南大阪線に導入された初の2連VVVF制御車6400系から採用されているのがこのタイプで、斜めタイプの袖仕切りながら、板面をあしらったデザインに変化し、さらにひじの部分にも1本梁が追加されたおしゃれな形状です。
【例外①】9200系増備車…レア度★★★★
このタイプは以降、シリーズ21が登場されるまでのVVVF制御車に広く採用されました。異端児としては9200系に組み込まれた4両編成化用の中間車で、VVVF制御ではありませんがこのタイプが採用された点や、B更新を受けた際に黒とグレーの内装に改められ、袖仕切りも白く変化した点が特徴です。このタイプはわずか4両限りです。
【例外②】2610系X11編成…レア度★★★★★
さらにレア度の高いものがこちら。2610系は冷房装置を搭載して製造されたクロスシートの丸屋根車ですが、5200系登場後の更新工事でロングシート化されています。その際、最初の1編成のみアルミ車とおなじデザインの袖仕切りが採用されました。ストレートボディでこの袖仕切りは、同編成のみのレアものです。
【昭和60年代前半~】7000系タイプ…レア度★★
第3電気軌条からの集電方式を採用した東大阪線(現けいはんな線)向けに製造された車両は、ほかの近鉄車両とは大きく異なるデザインが採用されました。座席袖についても、同年代に流行だったシンプルな板型のものが採用され、内側はモケット貼りとなっています。またスタンションポールが用意されているのも他の近鉄車には無い特徴です。
【昭和末期~】5200系タイプ…レア度★★
昭和末期の1988年、3ドアに転換クロスシートがずらりと並んだ新たな急行型車両、5200系が登場しました。袖仕切りという名称が適切かはわかりませんが、この仕切りには当初補助いすが設置されていました。ただ、更新工事を受けた際にほとんどの編成が上図のような、シンプルに立ち上がった仕切りに変更されました。上部にモケットが張られています。
【例外】5202編成…レア度★★★★★
VX02編成のみ、補助いすが撤去されたものの、補助いすが残っていたころに準じたななめに張り出した形状の仕切りが設置されています。内側には足を延ばせるためのスペースが空いているのも特徴。モケットの貼り方も他編成とは全然違いますね。
【平成初期~】L&Cカータイプ…レア度★★
1996年の2610系試作改造を経て、5800系から本格的に採用されたデュアルシート。令和の現代、首都圏でもよく見かけるスタイルをいち早く近鉄では本格採用しました。クロスシート時、ロングシート時の両方に対応するため、高さのある衝立ながら出っ張り具合は座面に合わせられています。こちらも上部にモケットが張られ、手すりが設置されています。
このタイプは5800系のほか、2610系、2800系の改造車にも見られます…が、
【例外】2610系X21編成…レア度★★★★★
レアパターンのご紹介です。先述のとおり、1996年に2610系1編成が更新工事に合わせて、先行でL&Cカーに改造されました。この際に採用された仕切りは他車両に比べてでっぱりの小さい細身のもので、一方で化粧板面積が下部に長いなど、他編成には見られない形をしています。座席は5820系タイプに変更されていますね。
【平成中期~】シリーズ21タイプ…レア度★
シリーズ21と呼ばれる、2000年代以降に製造された車両が該当するタイプで、初出は京都線の地下鉄乗り入れ用に誕生した3200系からとなります。
袖仕切りは板型で、どちらかというとひじ掛けとしての機能を重視した形状のものに対し、外側に張り出した着色パイプが立客との干渉を避けるという、より機能面を重視したタイプとなりました。また、両側にモケットが張られているのも特徴です。当初赤色系でしたが、順次上記のようなグレー系に変化しつつあります。
【例外①】5820系L&Cカー…レア度★★
5820系はシリーズ21のL&Cカーバージョンとして誕生したもので、奈良線と大阪線に配置されています。7編成が製造され、奈良線の車両は阪神電鉄の乗り入れにも使用されています。仕切りについては5800系に準じていますが、ドアコック位置が変更された関係で下部の蓋がなくなりました。
【例外②】7020系タイプ…レア度★★★
けいはんな線開業に伴い製造された7000系の増備車です。7000系に似た車体に対しシリーズ21タイプの意匠性が取り入れられましたが、パイプが無塗装であること、肘あてパーツがないこと、外側がモケット張りでないことなど、相違点が色々と見受けられます。
【平成中期~】車いすスペース用タイプ…レア度★★★
簡素なデザインの仕切りで、こちらはA更新を2000年代後期に受けた車両から見る機会が増えました。具体的には、中間車同士の連結部分は窓2枚分の奥行きがあるため、ここに車いすスペースを設置した際に2人掛け座席が残されました。これが窓ガラスと干渉するため、四角い板のような低い袖仕切りが用意された次第です。チョッパ制御車に見られる意匠で、車内の全座席に採用された実例はありません。
【令和~】VVVF汎用車A更新タイプ…レア度★★
2023年ごろからみられるタイプで、1620系を皮切りに1422系、1220系、6400系などへ急速に広がりを見せているものです。2024年に導入される新型車両のデザインを専攻して取り入れたもので、半円型の丸いガラスをベースに、外側にスタンションポールがはみ出し、座面部分は黒い板が張られた、非常に凝った形状です。ガラスは半分が透明、グラデーション模様で半分が白色になっています。
終わり…!
こうやって並べてみると、種類が多い!!いかがでしたでしょうか?デザインの変遷は時代の変化を表しており、その時代その時代に重視されたポイントの相違が見受けられるのがとても興味深いところです。いよいよ新型車両も登場しますので、さらなるバリエーションが増えゆく近鉄に注目です。
これまでの近鉄通勤型特集
こちらも、今後メンテナンスをして資料性を強化したいところ。ぜひ合わせてご覧くださいませ。
その他
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