はじめに
今回は久しぶりに、2021年10月8日現在、今はもう見ることが叶わない鉄道車両の車内をコレクションした記事となります。第3回目の今回はややマニアックな車両も含めて、色とりどりご紹介します。
ちなみにこのシリーズは、実は管理者sosekiが「写真は撮ったけど取材レベルはできなかった車両」の車内写真を供養するコーナーでもあります。今となっては詳しい撮影が叶わないけど、せっかく撮影したので…という思いで記事化しています。
今はもう見られない車内デザイン8選
JR東日本 E4系新幹線(自由席)
惜しまれつつも10/1に引退した2階建て新幹線、E4系「MAX」。2階建てならではの個性的な構造が各所に見られる面白い内装でしたが、特に個人的に推しいのが、「3列+3列」という限界に挑戦したシート配置。結果、個別シート化できないためリクライニング機構は備えておらず、他の新幹線に比べればサービスが劣る存在でした。貫通路は2+3列をベースにしており、階段もあるため、ドアが偏っているのが面白いところです。
泉北高速5000系(未更新車)
平成に入り、従来車両とは一線を画する高いレベルのアコモデーションを採用して登場した、泉北高速鉄道の5000系電車。スタンションポールのないすっきりとした車内に、赤をアクセントにした座席と袖仕切りがとてもおしゃれでした。床のツートンも相まって本当に明るい車両です。こちらも更新工事が進み近代的な内装となり、すでに見ることができない存在になりました。
阪急2300系
京都線最後の狭幅車体車、2300系電車。阪急の一時代を築いたデザインを初めて採用した2000系グループの車両です。おしゃれで落ち着きのある木目調の内装で、ブランドイメージを大切にした存在でした。貫通路が一部を除いて広幅ドア無しという構造になっているあたりが、昭和中期ごろの車両であることをにおわせていますね。すでに引退して時間が経ちましたが、同じ車体構造の車両に今でも能勢電鉄で乗車できるのは奇跡だと思います。
名古屋市営地下鉄5000形
アルミ無塗装の近代的な装いで誕生した東山線向けの5000形。同線活躍後はブエノスアイレスへ移籍しました。車内は暗めのベージュの化粧板とグレーグリーンの床に対し、とても鮮やかなオレンジ色のシートが特徴。また窓構造も3連続デザインで、真ん中のみサッシが中央に入ったユニークな形態でした。荷棚の位置も座席端部のみという、関西人の自分にとって新鮮さしかない車内デザインでした。
東京メトロ01系(初期車)
こちらも当時の営団地下鉄の新時代を切り開いた存在、銀座線01系電車の車内です。初期の車両で、バケット構造化されていない茶色いモケットは柔らかくて座り心地がよいものでした。驚きなのは今でも古さを感じない内装ながら、登場当初は非冷房車だったのです。ドア上の点滅マップ式の案内図、6000系から引き継がれたおしゃれな袖仕切り。車体の小ささを感じない落ち着きのある内装でした。
JR九州811系スペースワールド号
あまり存在を知られていない車両でしたが、インパクトのあるこの車内。こちらはJR九州の近郊型車両811系に1編成だけ存在した「スペースワールド号」と呼ばれる車両のインテリアです。宇宙空間を意識し、青色系のアクセントをふんだんに使用したデザインに、パイロットシートをモチーフにした非常に厚みのある転換シートが並びます。窓間におしゃれな照明がついているのも魅力でしたが、更新工事が実施されロングシート化されました。
阿武隈急行A417系
阿武隈急行が平日ラッシュ時の輸送を目的に導入した国鉄型車両の中古車、A417系。JR東日本の417系が置き換えられる際に譲渡されたものです。わずか8年間のみの活躍でひっそりと姿を消しています。車内は基本的にJR時代のデザインを踏襲していますが、座席モケットは1両ごとに色が異なり、赤・緑・青の3色を楽しむことができました。袖仕切り部にガラスの風防がついていたのも特徴です。
富山地鉄10020形
1961年、湘南型の正面デザインに大きな側窓を備えて登場した転換クロスシート車の10020形。濃い赤色のモケットに着色された肘掛、枕カバー付きで大変迫力のあるインテリアが特徴です。カーテンや床は緑色で、吊革がないためとてもすっきりとした天井が広がります。ワンマン設備も備わっていました。地鉄らしさのある個性的な内装でしたが、残念ながらすでに全車両が引退しています。
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