【番外】京王線のドア上案内表示器バリエーション

京王線のドア上案内表示器バリエーション その他

はじめに

車内案内表示器とは、主に文字情報で、次駅案内や運行情報であったり、宣伝広告などを放映する装置が、ドアの上についているケースが増えました。こと、今回取り上げる京王線においては車両に対する設置率100%を誇っています。バリアフリーという観点で急速に一般化した背景があります。

この装置には現在おもに2種類の仕様があります。一つは、LED式と呼ばれるもの。発光ダイオードの粒が並んでおり、この点滅で文字などをスクロールさせるもので、基本的に横に長い仕様です。多くの場合、3色(赤・橙・緑)ですが、まれにフルカラーの装置を装備する会社もあります。京王線は3色LEDのみです。

一方、最近の流行りとなっているのが、LCD式、すなわち液晶モニタです。PCなどと同じ液晶を1~2台設置しているケースが多く、2台の場合は1台が広告専用の場合がほとんどですね。LEDと異なり、動画やアニメーション、フルカラー表現、図の表示など優れていますが、文字が小さくなりがちなのと、角度によって視認性の課題があります。最近はLCDの性能が向上し価格も安くなったため、ドア上に限らず、いろいろな場所に設置され始めました。

今回は京王線をPick up

前述の通り、京王線は現在100%の設置率を誇ります。そこで、今回はドア上に限って、京王線の車両でみられる車内案内表示器をコレクションしてみました。漏れなどがあるかもしれませんが、手元に揃っている仕様を形式別にご紹介しますね。

7000系

京王7000系 車内案内表示器1
タイプ1
京王7000系 車内案内表示器2
タイプ2

まずは7000系電車のうち、コルゲートボディの初期車についてご紹介。ドア上には千鳥配置で3色LED式が用意されています。ドアチャイムが表示器の左側に設置されており、筐体自体はベージュ色に塗装されています。また、一部の車両でタイプ2のように、ドア開閉時に赤く点滅するランプが設置されています。

京王7000系 車内案内表示器3
タイプ3
京王7000系 車内案内表示器4
タイプ4

続いて、軽量ステンレスボディでビート仕様となった後期車のうち、2・4両編成車の表示器です。原則タイプ3と記した形状の3色LED式が採用されており、初期車のタイプ1とほぼ同一です。筐体もベージュ塗り。LED照明のシールが後期車の目印ですね。

ところが、4両編成の一部でこの装置が筐体そのままに、中の装置が横長のLCD(液晶)に変更され、異彩を放っています。この装置はおそらくコイト電工のパッとビジョンと呼ばれる装置と思われます。液晶自体の横幅が小さいため、黒色のスペーサー部分が広くなっています。また、ドアチャイムに加え、ドア開閉ランプも設置されていますね。

京王7000系 車内案内表示器5
タイプ5

後期車のうち10両編成を組成する21~25編成は、9000系に準じた17インチワイド液晶を2機搭載し、ドアチャイムのスピーカーが中央に設置されています。筐体はベージュ色で他と同じですね。

8000系

京王8000系 車内案内表示器1
タイプ1

8000系も初期は設置されていませんでしたが、追ってLEDが設置された経緯があります。ベージュ色の筐体の3色LED式で、見た限り7000系に搭載されているものと同一のように見えます。こちらは未更新車の写真ですね。

京王8000系 車内案内表示器2
タイプ2

ここからが、リニューアル工事を受けた後の8000系です。更新車も引き続きLED式ですが、最初期の更新車のみ、筐体がベージュ色のままで出場しており、交換された化粧板と色差が生じています。中央下部にドア開閉ランプが設置されたのがポイントです。余談ですが、この世代の吊革は他社にもない独特な形状をしています。

京王8000系 車内案内表示器3
タイプ3

このミスマッチが不評だったのか、ほどなくリニューアル車では筐体が化粧板に合わせた白色へ塗装されて出場するようになりました。この仕様が一番多く見られます。

京王8000系 車内案内表示器4
タイプ4

そしてこちらが最新の仕様。千鳥配置で、防犯カメラが筐体の左上に設置されました。半球型のレンズが飛び出したタイプです。たしか8010編成あたりから搭載され、以降の更新車ではこのタイプ4が標準仕様となっています。井の頭線1000系などでも見られますね。

9000系

京王9000系 車内案内表示器1
タイプ1

日車ボディで2000年から製造された9000系は、当初より3色のLED案内表示器が設置されています。筐体はベージュ色で、一見すると7000系・8000系に酷似していますが、LEDの向かって右側に、ドアコックを収めたフタが設置されています。これが9000系の特徴となります。ドアチャイムは装備し、ドア開閉ランプはありません。

京王9000系 車内案内表示器2
タイプ2

2005年から登場した地下鉄乗り入れ対応の30番台車では、ドアがステンレス無地仕上げとなり、印象が大きく変わりました。ドア上については最初の5編成については変化はなく、引き続きベージュ筐体の3色LEDで製造されました。

京王9000系 車内案内表示器3
タイプ3

ところが、2007年以降に登場した編成から大きく仕様が変わり、ドア上には17インチワイド液晶が設置されました。この液晶は当初右側の運行案内表示のみが稼働し、左側は準備工事のみで広告枠でふさがれていましたが、後年同様に液晶が設置されています。以降の9000系はすべてこの仕様で登場。画面の表示内容は一度更新されデザインが変化しています。

5000系

京王5000系 車内案内表示器1
タイプ1

京王ライナー5000系電車は、京王としては珍しい優等列車仕様で登場したため、気合が入った上品な金色ダル仕上げの塗装で案内表示器が設置されています。筐体も今までとは異なり、壁面とほぼフラットになったタイプです。下部に見られる掴み用の張り出しなどは踏襲。液晶は17インチワイドタイプが2機搭載です。ドアコックの蓋が右側に、またドア開閉ランプも装備しています。

京王5000系 車内案内表示器2
タイプ2

ところが、この気合が入った黄金仕様は最初の5編成のみとなり、2次車からは鴨居部が白色に変更され車内が明るくなりました。タイプ1とは違いクリア仕上げの輝く白色。ドアチャイムのスピーカーは、筐体右上、ドアコック蓋の上部あたりに設置されています。これが京王線でみられる最新仕様となります。

終わりに

以上が京王線の車内案内表示器です。ちなみに今回省略しましたが、5000系電車は妻面や天井部にも案内表示器があります。

ぜひお伝えしたかったのは、京王線の表示器ってほぼ同じやん!みたいなイメージでしたが、実は細かな違いが結構あるということ。8000系リニューアル車などは塗料の差といった超細かい違いですが、これが趣味として面白い点ですし、毎日の通勤時に、ほんの些細な楽しみになるのです。

機会があれば、井の頭線や他鉄道線の表示器紹介もしたいと思います。

 

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