はじめに
久しぶりに貫通路を集めたプチ特集記事をお届けします。
今回は通勤型車両、近郊型車両のなかから、「両開き式の貫通ドア」が妻面に用意された車両です。手元の写真が足りないせいもありますが、実は割と少数派で、数もじわりと減っている存在です。そんな両開き貫通ドアを本日は6枚、簡単にご紹介します。
通勤型車両の両開き貫通ドア6選
1、天井高から、小さく見えるドア~JR東日本E721系
まずは東北地区の新鋭、E721系です。東北地区のJR車両は両開き式の貫通ドアが採用されている車両が多く、両開きドア天国です。そのなかでもE721系は車高を下げて天井高さが高くなったため、ドア上のスペースが非常に広く、写真にとると錯覚的にドアが小さく見えます。ドアはステンレス無塗装で窓は大きく、戸袋窓はなく機器室が用意されています。
2、終焉の機能美~東急8500系
続いて引退間近、東急8500系車両です。数か所おきに貫通ドアのついた貫通路があり、風が通り抜けないよう工夫されています。非常に四角い窓があるステンレス無塗装の貫通ドアで、妻窓も残っているため、隣の車両に乗っている旅客の姿もよく見え、地下区間を走っていても開放感があります。ドアは自動で閉まるタイプで、取っ手はラッチのないシンプルな引手となっています。
3、化粧板のリニューアルで車内が明るく~新京成8800形
こちらは新京成の主力車両、8800形のうち、リニューアルを受けた車両の妻面デザインです。編成中1か所、このようなドアが用意された貫通路が存在します。ドア幅は東急ほど広くなく、一方で妻窓が無いため壁が非常に広く感じます。その分、今回のリニューアルでピンク色になり、車内全体の明るい雰囲気づくりに寄与しています。戸袋部分には広告枠が用意されました。
4、伝統のスタイル、最後の車両~名鉄6000系初期車
名鉄はパノラマカー7000系をはじめ、かつては多くの車両が両開き貫通ドアを採用していました。上品なスタイルを最後に採用した新製車は6000系の初期車で、いまでもその美しい姿を見ることができます。窓のRがとても大きく、車体全体も丸みを帯びているため非常にやわらかい印象です。戸袋窓がありませんが、横引カーテンのついた側窓が大きいので圧迫感はそれほど感じません。
5、奈良線丸屋根スタンダードスタイル~近鉄8600系
近鉄奈良線で活躍する丸屋根車は少数派8800系を除き、このような両開き式ドアが見られます。かつては全線で見られた標準的な仕様でした。8600系では自動的に閉まる構造が採用されており鍵が付いておらず、取っ手はシンプルです。妻窓もあり、名鉄同様窓の丸みがあるソフトなスタイルですが、ドア幅は東急同様非常に広く、同じ大きさの窓が4枚並んだような妻面デザインに見えます。
6、最新リニューアルスタイル~福岡市地下鉄2000N系
福岡市地下鉄空港・箱崎線を走る車両はこの両開きドアが付いた車両が非常に多く見られます。こちらは令和に入ってリニューアルが開始された2000N系のデザインです。ドア窓は東北地区のJR同様窓が大きく開放感があり、取っ手は開け閉めしやすい大きなものとなっています。妻窓はありませんが、リニューアルで彩度の高い木目に張り替えられたため、とても明るく仕上がっています。
まとめ
6枚だけを見比べても、ドア窓の大きさ、ドア幅、妻窓の有無である程度グループが分かれることがわかります。都市部では徐々に数を減らしている一方、ガラス張りのドアが台頭しており、両開きドアならではの開放感は今に受け継がれています。リニューアルされた車両もあり、いましばらくは両開き貫通ドアを楽しむことができそうです。
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