【番外】近鉄信貴線2400系の思い出

近鉄信貴線2400系の思い出 近鉄

はじめに~近鉄2400系~

今はなき車両、近鉄2400系。1966年に2両編成が6本製造されました。

現在も幅広く活躍する2410系・2430系の全身に当たる車両で、大きな窓、扇風機、広幅貫通路、角形テールランプなど、個性的な設備が見られました。

一方で編成数が少なく、シリーズ21登場前後での非ラインデリア車廃車のあおりを受け、2004年には全車引退。そんな2400系ですが、主な活躍場所は近鉄信貴線でした。

今回は管理者が子どものころに撮影した、近鉄2400系の信貴線で活躍する姿をいくらかご紹介します。古いフィルムカメラや黎明期のデジタルカメラで撮影した写真ですので、質の悪さはご了承ください。

Photo Collection

近鉄信貴線2400系
晩年の2400系

先述の通り、非ラインデリア車の特徴がいくらか見られます。天井のベンチレーター、角形テール、大きな側窓、故障灯のない側面など。2410系に比べてふっくらとしたおでこもチャームポイントでした。後ろに移る近鉄バスのHTも懐かしいですね。

近鉄信貴線2400系
水鏡

こちらは腰部と雨樋に赤帯が入っていたころなので、2000年前後ごろに撮影した写真です。服部川の駅前にはため池があり、姿を映しながら後ろにそびえる高安山に向け、急こう配を軽々と登っていきました。

近鉄信貴線2400系
山を下ってきた2400系

服部川の駅はホームも、その前後もすべてカーブ。当時は放送装置がなかったので、夜は山の向こうから下ってくる前照灯の灯りと、ほどなく鳴りはじめる踏切の音で列車の接近を知ることができました。

近鉄信貴線2400系
扇風機と網棚

車内は更新工事を受けており、サンドウェーブ柄の化粧板に張り替えられVVVF車と変わらない明るさでした。ただ、プラカバーのない長い吊革や網製の荷棚、クーラーに刺さった扇風機など、旧型車の面影が随所に見られます。写真はありませんが貫通路も奈良線車両のような、広幅2枚ドアでした。

近鉄信貴線2400系
桜咲く服部川駅

服部川駅は学生の駅です。春になると自転車置き場のあたりに並んだ桜の木が一斉に美しい色どりとなりました。この写真から、ベンチの高さで駅の勾配を知ることができます。2400系は静かな車両で、少し離れると列車の接近に気づかないほどです。

近鉄信貴線2400系
2400系の運転台

こちらは運転台。水色に塗装されており、今と比べれば液晶などもなく非常にシンプルな構成です。三菱マークが入っていますね。レイアウト等はそのまま2410系に継承されました。

近鉄信貴線2400系
夏の信貴山口駅で発車を待つ

終点の信貴山口駅は両側にホームがあります。こうして見ると、ホームギリギリで停車しているのがわかりますね。同様の表情は後継の1430系でも見ることができます。思えば、山本-信貴山口の方向幕も懐かしいです。

このあたりの地域は夏になると布団太鼓の音色があちこちから聞こえます。布団太鼓と2400系の競演、もっと撮影しておけば良かったと今になってとても悔やまれます。

近鉄信貴線2400系
山へ向かう2400系

最後は山に向けて出発する晩年の2400系。この車両はその後一時名古屋線へ移転し、その生涯を終えました。信貴線には後継の車両としてVVVF制御の1430系が抜擢され、現在に至ります。晩年の2400系は05・06編成が交互で運用に入り、代走には2410系、2800系が入線していました。

終わりに

今でも2410系、2430系、あるいは1810系が活躍する近鉄電車。ぱっと見は変わらない後輩が活躍しています。その礎を築いた信貴線のヌシ、2400系は、毎日急こう配を登り降りし続けたパワフルな車両でした。比較的地味な存在だったためネットでも見かける機会が少ない同車なので、この機会にその姿を残したいと思います。

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