はじめに
当ウェブサイトでは登場回数の多い、京王を代表するステンレス製通勤型車両、7000系。大きくコルゲート車体とビートプレス車体の2種類が存在し、更新時期によって内装にもバリエーションがあります。これまでに紹介した初期車、後期車の代表的な車内デザインは下記からぜひご覧ください。
今回は、すでに消滅して見られない京王7000系電車の内装を2種類、ご紹介します。
その1:未更新車
未更新車の車内。こちらは後期に製造された、ビートプレス車体の車両で現在は10両固定編成を組んでいる車両の車内です。あざやかなオレンジ色のモケットは着席区分の筋が入っていて、床は明るいツートンカラーとなっていました。化粧板も6000系に比べ明るいアイボリー系となり、車内全体に温かみが生まれたのが特徴でした。袖仕切りはパイプ式で、立客との干渉を避けるためか2本の横桟が用意されたタイプでした。
同じ世代の車両、現在の様子。もはや別車両レベルですね…。ドア以外はほぼ交換され、特にこの後期車においてはカーテンも廃止され、LCD車内案内装置が設置されたため、ほぼ9000系と同レベルの内装へと変化しています。よく見ると吊革の向き・形も変わっていますね。リニューアルの偉大さを感じます。
その2:初期更新車
くるくると回転するタイプの接近表示器が懐かしい写真ですが、この7707編成に最後まで残っていたのが、初期更新車の内装です。上でご紹介した現存リニューアル車のものと比べると、基本的なカラートーンは9000系タイプで同様なものの、袖仕切りが更新前と同じパイプ式で座席間のポールがなく、シートもバケットタイプに変更されていない、モケット柄だけで着席を促すタイプの車内となっていました。ドア上にはLED式の案内装置が設置されています。残念ながら、この世代の車両はこの07編成の廃車を以て消滅し、現存する京王線の車両はすべて大型袖仕切りを備えた車両となっています。
終わりに
本当に、リニューアル・内装更新といったどこの大手鉄道でも実施されているプロセスによって、同じ車両が時代を反映したデザインにリフレッシュすることの偉大さや驚きを感じることができます。京王7000系も同じで、昭和末期に登場した時点では明るい内装が流行であり、それを反映しつつ通勤型としての機能性を重視した内装でしたが、平成後期の更新時に、より落ち着きであったり、バリアフリーといった課題をクリアしたデザインへと変化しています。登場時の姿を残す車両があれば積極的に記録し、時代と共に移り行く鉄道車内デザインを今後も記録していきたいところです。
関連項目
その他
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