【特集】近鉄通勤型貫通路コレクション

近鉄通勤型貫通路コレクション 特集・その他

はじめに

近鉄通勤型コレクション、お久しぶりのお届けです!

今回は貫通路をピックアップ。近鉄は外観こそ大きなグループに分かれますが、貫通路はいかがでしょうか?世代ごとの相違や改良点などがわかるよう、世代順で主な貫通路のデザインをご覧いただきたいと思います。似ているようでいろいろな変化がある近鉄の沼、お楽しみくださいませ。

近鉄通勤型貫通路コレクション!

その1…貫通ドア黎明期

養老鉄道620系貫通路
養老鉄道620系
養老鉄道600系貫通路
養老鉄道600系

まずは貫通路にドアがはじめてついた世代あたりに見られるデザインから。昭和30年代の近鉄は広幅貫通路でドアは原則ありませんでしたが、現在のデザインを採用した電車、6800系が登場したころから順に仕様に合わせたドアがつきました。固定連結の車両では広幅両開き、先頭車との増結を想定した車両では狭幅1枚ドアが採用されています。この世代は妻窓が大きく、両開き扉は自動閉機能がなく取っ手の引き残りもありません。近鉄本体では8400系1両のみ残っていますが、養老鉄道には多少この仕様の車両が残存しています。

その2…ラインデリア世代

近鉄8000系(狭幅部)貫通路
8000系(狭幅部)
近鉄1010系貫通路
1010系

ラインデリアを採用したグループで、現役の最古参世代にあたるのがこちらのデザインです。先頭車との連結部は広幅、中間車同士の連結部は狭幅の貫通路を採用し、両開き扉は自動閉機能が採用され取っ手収納部がなくなり引き残りがあります。また大阪・名古屋・南大阪線の車両では広幅貫通路は採用されておらず、すべてのドアが狭幅となっています。

近鉄8000系(狭幅改造車)貫通路
8000系(狭幅改造車)
近鉄8400系(元先頭車)貫通路
8400系(元先頭車)

8000系列には貫通路の異端児がいます。ひとつは8000系3連に見られた、狭幅改造車。妻窓は広幅時代の小さい窓のままなので、ドア横にスペースが空いています。現在は全廃され見ることができません。もう一つは先頭車からの改造車で、ドアがない狭幅貫通路となっています。こちらはかつて1550形や6000系でも見られましたが、今は8400系1両に残るのみで、連結ユニットを介して広幅タイプと力業で繋がれているのも面白いところです。

その3…通勤冷房車世代

近鉄2800系貫通路
2800系
近鉄2610系貫通路
2610系

冷房採用された世代の妻面は基本的に大きな変化はありませんが、平天井が採用された分上部のRの処理が変わり、少し低い印象になりました。8600系まで広幅が採用されています。また、2610系は当初固定クロスシート仕様で導入されたため妻窓が設置できなかったことから妻窓がなく、側窓に合わせて貫通ドアの幅がやや狭くなり、窓の高さがやや下方に長いのが特徴です。

その4…チョッパ制御車世代

近鉄8810系貫通路
8810系

外観デザインが大きく変化したチョッパ制御車世代。車体の構造が変化したため従来よりさらに妻面全体が四角い印象になりました。冷房車世代と大きな変化はありませんが、写真のように近年B更新を受けた際に黒色化粧板化された車両では、消火器が壁面へ移設されその部分の妻窓が埋められたのが大きな特徴となっています。

その5…初期VVVF制御車世代

近鉄3200系貫通路
3200系
近鉄1220系貫通路
1220系
近鉄7000系貫通路
7000系

1980年代からはVVVFインバータ制御が採用されました。初期のVVVF制御車はほぼチョッパ制御車と同様の構造となっており、やや妻窓の左右寸法が短くなった程度です。見分けポイントとしてはドア上の点検ふたがチョッパ制御車と同じ形状なのが特徴でしたが、1220系の例のように、令和にはいってA更新を受けた車両ではこの点検ふたが、後期VVVF制御車とおなじ、天井部まで伸びた構造に統一されました。また大阪市営地下鉄乗り入れ用に用意された7000系は卵型ボディが採用され、冷房装置の端部搭載と合わせて印象が他系列と大きく異なります。

その6…後期冷房車世代

近鉄5200系貫通路
5200系
近鉄6620系貫通路
6620系
近鉄5800系貫通路
5800系

全線共通車体が採用された世代では貫通ドア上の点検ふたが天井まで伸びた形状となり、貫通路がスマートな印象になりました。またこの世代から急行型車両として5200系や5800系が誕生。急行用車両では貫通ドアの窓が下方に拡大され近代的な印象に。5800系では車端部の閉塞感を緩和するため、腰高でほぼ正方形になった小さな妻窓が設置されているのが個性的です。

その7…シリーズ21

近鉄9820系貫通路
9820系
近鉄7020系貫通路
7020系

2000年に入り、シリーズ21と呼ばれる新しい車体が登場しました。外観はアースブラウンを採用しイメージを一新。車内も大きな窓とグレー系の配色が特徴です。妻面はロングシート、クロスシートに関係なく妻窓が廃止され貫通ドアの幅が広くなり、アシストレバー採用や窓の下方拡大が実施されています。ただし、Osaka Metro乗り入れ用7020系に限り妻窓がありドア窓が小さいタイプとなっています。7000系に比べると妻窓が細長いタイプになり全体的にすっきりしています。

その8…令和デザイン世代

近鉄8A系貫通路
8A系

最後は令和に入って登場した新しいデザインの通勤型車両です。シリーズ21に準じた寸法設計ですが、ドアが流行のガラス張りになり印象が一変しました。また妻面に機器室が設けられ壁面全体が車内側に飛び出しています。大きなアシストレバーや手すりの増設なども目に留まります。

終わりに

いかがでしたでしょうか?実際には細かく見るともう少しバリエーションが存在しますが、大きく世代別で括ってのご紹介となりました。ご覧のとおり、基本的には1960年代に採用されたデザインが1998年ごろまで踏襲され、2000年ごろのシリーズ21で一新。さらに2024年の8A系でさらに現代的に変化しています。

車両形式数が多いからこそ、バリエーションの豊富さや世代ごとの改善が楽しめるのが近鉄の魅力。ご乗車の際には、乗り比べしてみてください。

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