はじめに
1977年に登場したのが西武2000系。これまでの車両とは異なる4ドア20m車体、中央にドアのある対称スタイルの前面デザインなどを冠して製造が続けられました。1988年以降は新2000系と呼ばれるモデルチェンジ車へ移行していますが、今回のご紹介は前期に登場した車両です。うち5次車に対して更新工事が実施された2005・2006年には、車内デザインが大きく変化した車両が数本存在します。廃車も進み今年引退となった、西武2000系リニューアル車のインテリアデザインを細かく見ていきたいと思います。
車内デザイン紹介
Photo Gallery

まずは車内。白色のさわやかな化粧板にあざやかな青色のバケットシート、ツートンカラーの床、車いすスペース部には大型袖仕切りなど、パイプ仕切り・窓枠以外はまったく別形式の様相に生まれ変わりました。これまでの更新車では赤金色のモケットでしたが、これが寒色に変わるだけでも全然雰囲気は変化しますね。乗り心地も上々です。






もっとも大きな変化を見せた座席周りをまずはピックアップします。先述したとおりスタンションポールが設置された青色系のバケットシートに換装されています。これは後年の新2000系更新車や、新101系更新車でも見られる仕様です。袖仕切りに変化はありませんが、車いすスペースが設置された箇所に限りなぜか今どきの大型袖仕切りが設置されています。優先席はピンク色系です。






続いて妻面のご紹介です。ここは原形をよくとどめています。ドアは貫通路の片側のみにあり、戸袋窓以外の窓は開閉可能な2段窓が採用されました。乗務員室背面も対称スタイルで窓は小さなものが左右に設置されています。西武らしさを象徴するのが貫通路両サイドの面取りされた部分で、ここに消火器が美しく収められています。車端部のシートに座った人はひじ掛けの役割も兼ねそうです。



壁面サイドです。窓は2段窓で上段は加工式、下段は当初上昇可能でしたがのちに固定されているようです。また一部の窓は開閉自体が出来なくなっています。カーテンは模様の入ったベージュ調のものに変更されました。また乗務員室と通話が可能なSOSボタンも追加されています。




ドアと床面です。ドアは当初よりステンレス無塗装仕上げとなっています。鴨居部には更新工事時にドアチャイムスピーカーが埋め込まれたドア開予告灯が全箇所に設置され、加えて千鳥配置でLED式の車内案内装置も追加されバリアフリー対策がなされています。床面は今回ツートンカラーが採用され、ドア付近は滑り止め加工が実施されています。直流モーター車なので点検ふたも健在です。





最後は天井まわりです。西武らしさがあるのは中央に走る送風機で、枕木方向にルーバーが並んでいます。吊革は握輪が丸型の非常にオーソドックスなものです。荷棚は網状のもので、荷棚の手前には掴み棒も設置されておりラッシュ時の立客に重宝されています。このあたりの設備は極めて首都圏の通勤型らしい形に完成されています。
終わりに
更新車をはじめて見たときはビフォーアフターの変化に衝撃を受けました。そんな車両も20年が過ぎ、晩年は原則平日のみ増結運用向けの2連が運行されているでした。
西武線は引退となりましたが、有難いことに譲渡されることとなり、これまでとは全く異なる琵琶湖のほとりで第二の人生を歩んでいくことでしょう。
関連項目
その他
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