はじめに
車内紹介をいつもより少しだけ詳しく行う、車内詳細紹介シリーズの第2弾です。今回は能勢電鉄の最古参1700系電車のうち、Legend1700を名乗る1757編成をピックアップします。編成中最古参は1960年製造という、60年以上を生き抜いた名車で、もとは阪急2000系列でした。2024年に最後の検査を受け大変美しい姿になり、今後2026年を最後に引退とのことです。今回は同編成のうち取材できた車内の様子をご紹介したいと思います。
車内デザイン紹介
Photo Gallery

まずは車内全景です。阪急ではおなじみ、マホガニーの化粧板にオリーブ色の座席という構成で、各パーツをアルミ製の部品で支持しています。1枚下降窓なので近代的で温かみがあります。床面は平成に入って柄入りのおしゃれなデザインに変更されました。



座席まわりはシンプルな構造で、パイプを曲げたシンプルなひじ掛けは2000系に始まり7000系列まで引き継がれました。特筆すべきは座席下の脚台部分で、蹴込板は丸みを帯びた形状なのが側面からわかります。また端部も化粧板+巾木で仕上げられており上品さが漂っています。モケットはオリーブ色のほか近年優先座席がワインレッドになりました。


阪急と言えばやはり鎧戸!日よけが下から持ち上げるタイプの鎧戸になっており、上げ下げの重たさはありますが迫力があります。1枚窓は加工式で、窓上部に手掛けがあります。






車端部のご紹介です。2000系列までは広幅貫通路が採用されていた経緯があり、その名残が見られます。また5000系列までの阪急車両は、妻面上部が白い化粧板で分けられているのが大変おしゃれです。消火器は側壁と妻面の角に収められており、マホガニーの化粧板仕上げで一体感があります。メーカープレートも非常にクラシックで、昭和35年の文字が古豪であることを裏付けています。




続いて側ドアまわりのご紹介です。この系列まではドアエンジンの種類が異なっており、空気のコンプレッサー音が特徴的で、ドア上の鴨居形状も異なります。個人的に印象的だったのは足元の靴摺部分で、ドアレール以外のパーツが丁寧に塗装されていました。


非常用ドアコックと床面です。ドアコックは壁面に設置されていました。また床面は先述の通り、タイルデザインの施されたものに張り替えられており、大変近代的な印象です。床面には点検用のフタがならんでいます。


吊革と荷棚です。吊革についてはLegend1700の文字が嵌っています。また荷棚はパイプ式のものが採用されています。パイプ事態に塗装が施されていて品があります。


最後に天井周りになります。冷房改造がされており、白い天井には冷房吹き出し口が設置されています。また関西私鉄ではよく見られる蛍光灯カバーももちろん設置されており、放送スピーカーも一体化された構造なのが特徴です。
終わりに
阪急電車は時代に合わせたアップデートこそあれど、木目調の内装、オリーブ色の座席、加工窓などは令和まで引き継がれており、その基礎となる設計を生み出した名車が、今の時代までまだ現役で活躍しているということはすごいことだと感じます。化粧板の褪せなどはあるものの、今見ても近代的なデザインで、写真を見て感動しながら記事を起こしました。
関連項目
その他
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