鉄道車両の天井は個性の象徴
鉄道車両は四角い空間で構成されており、大きくは壁・床・そして天井というパーツに分かれます。天井部には「照明」「空調」「吊革・荷棚」そして「広告」が配置されています。
この部分、実はとても鉄道会社や車両ごとに個性が表れている部分なのです。
今回はこの「天井」に焦点を当てた車内デザイン紹介です。10例ご紹介しますが、せっかくなので、クイズ形式にしたいと思います。
クイズ編 10種類の天井をご紹介!
難易度を★の数で示しました。管理者の独断と偏見によるものですが、お楽しみください。
【第1問】カラフルな吊革とぶら下がるでかい箱(難易度:★・・・・)
まずは軽いジャブから。緑のベルトに黄色い輪の吊革が非常に目立つ天井、奥に大きな箱…液晶がぶら下がっていますね。天井部はスリットが枕木方向に並んでいるのがユニーク。照明をヒントに番台区分まで言える方は、★2つプレゼントです。
【第2問】直接ぶらさがっている!?(難易度:★★★・・)
なんと、天井から直接吊革がぶら下がっています…。関東・関西勢からすると違和感でしかありませんが、この地方の古い車両では標準的な仕様です。形式名までばっちりわかる人はすごいと思います。吊革の位置がヒントですね。
【第3問】違和感の集合体(難易度:★★★★★)
私が知る限り最も強烈な違和感を持つ車両の天井です。真ん中の箱と、蛍光灯カバーの形状はお馴染みの大手私鉄…ですが、壁の色・吊革の形にものすごい違和感がありませんか??紅一点の大変貴重な車両です。大ヒントはぶら下がる広告ですね。
【第4問】大変美しい造形美(難易度:★★・・・)
急に近未来的な屋根が登場しました。この車両は「かなり新しい」です。間接照明が両側に広がりますが、この照明は天井だけでなく、荷棚も照らすのがヒント。屋根の所々に入る亀裂にはカメラが埋まっています。また、よく見るとこの天井、「スピーカーが一つもない」のも大きなポイントです。
【第5問】蛍光灯がちっちゃい!(難易度:★★★★・)
一転してローカル感漂う車両のご紹介。簡易冷房装置が右側にあるとおり、元は非冷房で誕生した車両で、通行を縁においた扇風機が天井にあります。個性が目立つのは蛍光灯の短さ!吊革と天井に移りこんだ色がヒント。車両そのものは「在籍数1両」の超絶レアモノです。
【第6問】見たことのないルーバーが枕木方向に…(難易度:★★・・・)
この車両、特急車両なのですが、まちがいなく鉄道デザイン界に新たな風を巻き起こした存在です。その天井はなかなかピックアップされる機会が少ないのですが、実はこんな不思議なルーバーが並んでいるのです。流行りの間接照明スタイルで、ちらっと見えるカーテンがヒントです。
【第7問】シンメトリーの常識を崩す(難易度:★★★・・)
関東の鉄道ではよく見かけるごちゃっとした天井ですが、最高に違和感を感じるのが最も手前(写真上側)、なんとルーバーが中央から少し左にずれているんです。。。他の部分はきちんとセンターにあるのに…。鉄道の天井はシンメトリーという常識があるからこそ、とにかく変な感覚です。
【第8問】おしゃれな吊革は恋人向け(難易度:★・・・・)
これは鉄道ファンの方、あるいは地元の方にとっては簡単でしょう。グレー系の色調、間接LED照明など大変おしゃれなデザインは著名なアートディレクターが関わったもの。そして最大の特徴である横に長い吊り輪。実はこれ、二人で握れるような設計なんです。ハードル高ぇょ…
【第9問】シンメトリーの常識を崩す2(難易度:★★★・・)
滅多にスポットライトが当たることのない車両の天井です。左右に見える緑色のアクセントはとても個性的。そして突っ込みどころは吊革が片側にしかついていないのと、真ん中に伸びる謎のポール。この目的が最大のヒント。…というか天井に車内まんま映りこんでますね。。。
【最終問】いよいよ引退!ありがとう(難易度:★・・・・)
最後は関西では非常に有名なあの電車。答えが埋まった丸い円盤型の整風器は同社の特徴ですが、周りを見渡せばなぞの出っ張りやら跳ね上がった吊革やら、非常に個性的です。この車両はまもなくすべて引退となります。本っ当に何度も何度も乗りました。お疲れさまでした。
解答編
さて、みなさんはいくつおわかりになりましたでしょうか?意外と、普段天井部を意識されていないという方も多いのではと予想しています。
最後に、クイズの答えを記載していきます。このシリーズが好評だった場合は、YouTubeの動画でシリーズ化したいという思いもあります。少しでもお楽しみいただけましたなら幸いです。
【第1問】JR西日本225系5000番台。蛍光灯が非LEDなのは5000番台の特徴。
【第2問】名鉄6800系。セミクロスシートで残る車両。天井からの吊革がポイント。
【第3問】能勢電鉄3100系。外観が阪急なのに内装が真っ白という超異端児です…。
【第4問】JR東海N700S。妻面に指向性スピーカーを採用したため天井に無いのです。
【第5問】関東鉄道キハ532形。竜ケ崎線で週1程度走る旧型車両です。
【第6問】西武001系Laview。大きな窓と黄色い座席ばかり目立ちますが、天井も面白い。
【第7問】多摩モノレール1000形。車端部にこんな吹き出し口があるのです。
【第8問】相鉄120000系。JR車両が設計ベースと思えない美しい天井に仕上がっています。
【第9問】西武8500系レオライナー。新交通システムだから天井が低いのです。
【第10問】京阪5000系。三ツ五郎には思い出が詰まっています。
その他
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