はじめに
非常の際に乗客が車外へ脱出できるよう、鉄道車両ではドアを手動で開放することができる「ドアコック」が設置されています。非常用設備なので通常時は扱うと法的な問題にもなる可能性がある設備ですが、安全装備としては標準的です。
今回は近鉄通勤型のドアコックに表示されているサインの変遷を、プチ特集なので簡単に紹介します。
その1 昭和木目世代

昭和時代の近鉄電車では、緑と紅の2色を使用したサインが採用されていました。こちら側の下に→が描かれているあたりはセンスがあってかわいいですね。近鉄本体からは消滅済かと思われます。
その2 サンドウェーブ柄世代

昭和末期から平成前期にかけて製造・更新された車両に見られます。サンドウェーブ柄の壁面とセットで使用されており、やや茶色がかかった黒とオレンジの組み合わせは今でもお洒落な色合いです。
その3 グレー世代1

L/Cカー以降~シリーズ21にかけてはグレー系の内装が採用されていますが、この世代では機器箱系がベー順次塗装され、直接丸ゴシックの文字を印字してさまざまなサインが設置されています。もっともシンプルですが、視認性には欠けます。
その4 グレー世代2

…ということで、シールになった車両もいます。こちらは後述するシリーズ21と共通のデザインで、やはり●ゴシック体が使用されているほか、いままでプレートが分かれていた誘導喚起も合体し、英文まで付きました。このタイプは黒色壁面デザインの車両にも引き継がれています。
その5 シリーズ21

シリーズ21ではそもそもドアコックが各出入り口に個別設置されています。蓋そのものには装飾がなく、よく見ると右下の離れたところにシールがあります。…一般の方はこれのことだ!とわかるものなのでしょうか?
その6 川西氏デザイン世代1

デザイナー川西氏による内装ディレクションが行われた車両では、表示にサインが入り、黄色とグレーの2色刷りに。またおそらく蓄光素材と思われるシールとなりました。そして再び注意喚起が左側に分かれていますね。書体も流行の組み合わせです。
その7 川西氏デザイン世代2

新造車両の場合はシリーズ21同様、ドアごとに個別のドアコックがありますが、今回はちゃんと蓋自体にシールが貼られています。デザインは先述したものですが赤字で法的措置の怖い文言が追加されました。またA更新車と組み合わせが逆で、蓋には注意喚起、その右横のシールで操作方法を説明しています。ハンドルではなく、初めてレバーになっている点も注目です。
終わりに
プチ特集という割にボリューミーになりましたが、一言言うなら「めっちゃ流行を反映している」、デザインの変遷そのものです。ここで言う流行とは決して人気の有無ではなく、素材の流行や注意喚起ポイントの流行なども見受けられます。また今回あまり深くは触れませんでしたが、車両ごとに蓋の位置や形状の差異もあるのでバリエーションはこれ以上に豊富です。
その他
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