はじめに
箱根登山電車といえば、この電車!というほどに有名なレトロ電車、モハ1形。ルーツをたどれば登山電車の開業時にまでさかのぼりますが、1950年に汽車会社で車体を載せ替え、さらにカルダン駆動化、2連化などの改造を重ねて現在に至っています。車内については1950年当時の構造が色濃く残っておりとても興味深い車両ですが、残り1本の貴重な車両も2028年に引退することがすでに知らされています。今回は2025年11月現在の車内を詳しくご紹介します。
車内デザイン紹介
Photo Gallery

まずは車内全景です。暖色系でまとめられており、オレンジに近いクリーム色の壁、茶色い床、赤い座席の構成です。この鮮やかな車内は、壁面が塗装部品中心で構成されていることから得られています。座席はシンプルなロングシートとなっており繁忙期には輸送力を発揮します。





座席については、現在残っている車両はロングシートとなっていますが、かつてはクロスシート化された車両もいたようです。度重なる改造等を経ていると思われますが、シンプルなパイプの袖仕切りに、模様の入った赤いシートが基本で、優先席は紫色となっています。窓は2段窓で戸袋窓もあります。




妻面がこちらです。乗務員室背面はレトロなプレス構造部品などが見られ、窓サッシまわりを除いて塗装部品となっていますが、じつは貫通路が設けられたのは近年のことで、ここだけ化粧板仕上げとなっています。ただし通路は非常用で幌はないため、通常時は閉鎖されており通行できません。またここだけ枕木方向に蛍光灯が設置されています。汽車会社の銘板がとてもレトロでかっこいいので必見ですね。



壁面を見ると、ドアコックのレトロな扉が赤く塗装されていますが、これとは別に近年設置されたと思われるドアコック装置も妻面にあります。またレトロな温度計も見ることができました。SATO KEIRYOKIと印字されています。


窓回りです。アルミサッシ2段窓が基本で、戸袋窓も同様のデザインとなっています。窓は開閉可能で近年見かけなくなったロックが両端についています。カーテンは巻きあげ式でグレー系のものが設置されています。



ドア周りです。片開式で、ドアはステンレス無塗装のものに交換されているものと思われます。ステップは黄色と緑に着色されています。また鴨居部は非常にレトロな造形が残っています。

床面も樹脂系素材のものに張り替えられています。点検蓋がたくさん並んでいるのが面白いところです。現在同車はカルダン駆動のため、よく聞く直流モーターの音が楽しめます。



吊革と荷棚ですが、吊革は丸型のものとなっており、優先席付近は黄色いものです。この吊革受けポールを支えている部品の造形がレトロでおしゃれですね。同様に荷棚は金属網タイプとなっていますが、この端部にある荷棚受け発の造形がとてもレトロです。このあたりに1950年代のデザイン観を楽しむことができます。


最後に天井部です。同列車は冷房装置が設置されていないため、天井は丸みを帯びた非常にすっきりとした仕上がりです。白色の化粧板張りとなっており、蛍光灯が並びます。
終わりに
レトロな車内をお楽しみいただけましたでしょうか?各所が都度更新されており、正確な改造時期などを辿ることは困難ですが、いまだに塗装された部品が多用されており、1950年代の車両にしばしば見られる美しいデザインが施された金属部品も残っています。パワフルなモーター音を車内に響かせながら力強く山を登る姿はとても美しいので、ぜひ機会があれば乗車してみてください。
その他
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